前置き
仕事柄、大学生と話すことが多い。
私の勤務している金沢工業大学では、正課で学んだ内容を実践する「プロジェクト」と呼ばれる課外活動がある。
プロジェクトの例として、ロボコンのようなハードウェアを扱うものや、アプリケーション開発といったソフトウェアを扱うものまで幅広いラインナップがある。
詳細が気になる方は、金沢工業大学のプロジェクト一覧を見ると良い。
プロジェクト特有の問題として、所属限度が3年弱という事がある。
就活の早期化といった外部要因はあるが、学生の所属限度があるため「引継ぎ」が非常に重要視され、同時に解決しづらい問題となり得るのだ。
ここからは、課外活動 = プロジェクト を「組織」という捉え方をする。
情報の引継ぎとその限度
どのような形であれ、組織では先輩から後輩に「情報」の引継ぎがされる。
「情報」としては、技術スタック・運用の経緯・先輩の思いといった、歴史の引継ぎが多いと感じている。
しかし、全ての情報を引継ぐ・受け継ぐというのは中々難しい。
時間の経過で情報の濃度が薄れることもあるはずだ。
しかし、学生の話を見聞きするうちに思うことがあった。
あまりにも情報の濃度が薄くなっている組織が多い。
影響として考えられるのは、新型コロナウイルスによる対面活動の減少だ。
対面、特に口頭で受け継がれていた情報が途切れている。
組織として意識的に情報を管理している所は少ない、ということもあるだろう。
情報を引継ぐ必要性を個人に求めず、組織として引継ぎを積極的に行うべきではないか。
引継ぐ人と受け継ぐ人
個人あるいは、組織が情報を引継ぐことは多々ある。
主体的に引継ぐのか、必要に迫られ引継ぐのか。
どちらにせよ、引継ぎを行う人々は準備をするはずだ。
しかし、受け継ぐ側はどうだろうか。
「最初から学びを得よう」という意識を持つ人は少ないだろう。
受け継ぐ側は、学びを得るために動く。
受け継ぐ側は、学びを得る必要を感じさせるような関係性の構築や、情報の必要性を感じられる空気の共有にも意識を向けるべきではないだろうか。
つまりは、受け継ぐ人の前提として自律的である必要があるのだ。
情報の属人化を防ぐ
どのような職場でも、「職人」や「情報屋」がいるはずだ。
「この内容・問題に関してはxxxさんが詳しい」といった職人。
「この内容であれば、yyyさんやzzzさんなら知っているはず」といった人を繋げる情報屋。
もちろん、「職人」や「情報屋」が悪いわけではない。しかし、それは情報の属人化と言えるのではないか。
目指す方向は悪くない。ただ、可能ならば誰もが「情報屋」として動ける必要があるはずだ。
自分自身が困り果てた時、自分自身で頼る相手を探し出せる。
探し出すというスキルが、重要視される時が来るはずだ。
おわりに
単なる雑記のつもりで書き始めたが、私自身の思いをまとめるのにも役だった。
組織作りや組織文化など、書きたい内容は山ほどある。
気が向けば内容を書き残しておきたい。
この記事が、読者の考えの一部となれば幸いだ。