エンジニア界隈では「AI活用」が当たり前になりつつあります。
そんな時代、目指すエンジニア像はどうなるかを考えました。

技術力が圧倒的に高いものの、チームワークを軽視する「ブリリアントシャーク」型のエンジニア。
一方で、技術力はそこそこでも、AIを上手に活用し、チームの潤滑油となる「AI協調型」のエンジニア。

Claude Codeを使い込んで見えてきたのは、後者の方が伸びていく未来でした。
AIツール利用することで感じた「これからのエンジニア像」について書いてみます。

Claude Codeとは何か

Claude Codeは、Anthropic社が提供するコマンドライン上でのAI開発支援ツールです。
単なるコード生成ツールではなく、プロジェクト全体を理解し、タスクを段階的に実行できるのが特徴でしょうか。

ファイル構造を把握し、複数のファイルにまたがる変更を一度に実行できます。
「もう一人のエンジニア」がチームに加わったような感覚で、開発を進めることが可能です。

Claude Codeで変わった開発スタイル

1人でもチームのように動けるマルチタスク能力

複数人チームの強みは、タスクの分散と複数の視点によるレビュー・チェックだと思っています。
Claude Codeを使うことで、この恩恵を1人でも受けられるようになりました。

例えば、追加機能の開発をClaude Codeに任せている間、別ウィンドウでUIの調整やテストケースの検討を行う。
これまで順番にしかできなかった作業を、並行して進められるようになりました。

Wantレベルタスクの消化が劇的に早くなった

これまで後回しにしていた「やりたいけど時間がない」タスクの消化速度が大幅に向上しました。

  • デザインの微調整
  • 技術負債の解消
  • 開発者体験の改善

こうした「利用者には直結しないが、開発効率に影響する」タスクを、Claude Codeに任せるようになりました。
重要なタスクや自身のやりたいタスクに集中し、こまごまとした作業は分担する。
この役割分担が開発の質を上げ、自身も楽しく開発を行うことができています。

タスクの重みづけ精度が向上

問題点の洗い出しや、重要度によるラベリングもClaude Codeの得意分野だと思っています。
「デザインの問題点」「セキュリティ上の問題点」「パフォーマンスの問題点」など、異なる視点で同じコードを分析することで、1人だと見落としがちな課題を発見できます。

人間と Claude Code の違い

稼働時間の差は圧倒的

人間がタスクの洗い出しから実装まで、長時間かかるリファクタリングを、Claude Codeは短時間でこなします。
単純な作業効率を比較すると、AIに軍配があがると思っています。

精度・品質面での比較

Claude Codeが得意なこと:

  • 既存コードの解析と改善
  • 一貫性のあるコーディング
  • 複数ファイルにまたがる変更

人間が得意なこと:

  • ビジネス要件の理解と翻訳
  • ユーザー体験の設計
  • チーム内でのコミュニケーション

若年層エンジニアへの影響

メリット: 開発速度とスプリント効率の向上

学習速度の加速
Claude Codeは優秀なメンターのような存在です。
コードの説明、ベストプラクティスの提案、エラーの原因分析など、いつでも気軽に質問でき、自身の学びに繋がります。

開発スピードの向上
基本的な機能実装やテストコードの生成など、時間のかかる作業を効率化できます。
成果物の質と量、両方の向上が期待できるでしょう。

デメリット: 競争環境の激化

ベテラン+AIの組み合わせが強力
経験豊富なシニアエンジニアがClaude Codeを使いこなすと、その生産性は想像を超えてくるのではないでしょうか。
技術力の差に加えて、AI活用スキルの差まで加わると、競争は厳しくなる一方でしょう。

稼働時間の格差
極論を言えば、Claude Codeは24時間稼働できます。
人間の8時間労働 vs AIの24時間稼働という時間格差は、プロジェクトやタスクの進行速度に大きな影響を与えるのではないか。

エンジニアタイプ別の将来性

ブリリアントシャーク型: 技術特化だが協調性に欠ける

技術力は圧倒的に高いものの、チームワークを軽視するタイプです。

特徴

  • 個人の技術力に絶対的な自信を持つ
  • 他者の意見を聞かない傾向
  • AIツールを「邪道」として敬遠
  • コードレビューで厳しすぎる指摘をする

AIが技術的な作業を代替するようになると、純粋な技術力だけでは差別化が難しくなると思います。

また、チームでの協働が重要視される現代において、協調性に欠けるとだいぶ厳しそうです。

頑固職人型: 従来手法に固執

長年の経験と実績を持つものの、新しい技術やツールの導入に消極的なタイプです。

特徴

  • 「昔ながらの方法が一番」という信念
  • AI活用に対する抵抗感
  • 新しいフレームワークや手法を避ける傾向
  • 経験則に依存した判断

技術の進歩速度を考えると、適応力が重視されるのではないでしょうか。

特にAI活用が標準となりうる環境では、取り残される可能性が高いと考えています。

AI協調型: バランス重視のエンジニア

技術力、人間力、AI活用力をバランスよく身につけるタイプです。

特徴

  • AIツールを積極的に活用
  • チームのコミュニケーションを重視
  • 技術的な課題解決と人間関係の調整ができる
  • 継続的な学習意欲

技術の進歩に適応し、人間にしかできない価値を生み出していくスタイルが良いのではないでしょうか。

AIとの協働で、個人の生産性を最大化しつつ、チームの成果にも貢献できるというのが理想的なのではないでしょうか。

AIを使わない選択肢は無くなりそう

必須スキルとしてのAI活用

もはやAI活用は「できたら良い」というより、「できて当然」になりつつあります。
Excel操作やGitの使い方と同じレベルで、基本的なリテラシーになってくるはずです。

技術力単体での勝負の限界

これまでのエンジニアは、技術力の高さが直接的な価値につながっていました。
しかし、AIが技術的な作業の多くを代替できるようになった今、純粋な技術力だけでの差別化は厳しくなる一方でしょう。

代わりに重要になると思っているのが、

  • ビジネス理解力: 技術をビジネス価値に翻訳する能力
  • コミュニケーション力: チーム内外での調整・説明能力
  • AI活用力: 効率的にAIツールを使いこなす能力
  • 継続学習力: 変化に適応し続ける能力

求められるスキルセットとは

人間力の重要性

チームの潤滑油としての役割
技術的な課題解決だけでなく、チーム内の調整役やカタリストとしての役割が重要になるはずです。
異なる職種間(デザイナー、プロダクトマネージャー、営業など)の橋渡しができるエンジニアの価値は高くなっていくはずです。

ソフトスキルの育成

  • 傾聴力: 他者の意見を正しく理解する
  • 説明力: 技術的な内容を分かりやすく伝える
  • 調整力: 利害関係者間の調整を行う
  • 共感力: チームメンバーの状況を理解する

マネジメント能力

プロジェクト管理スキル
AIツールを活用しながら、プロジェクトの進行管理やリソース配分を行う能力。
人間とAIの適切な分業を考え、最適な開発プロセスを構築できるスキルは重要でしょう。

成果物の品質管理
AIが生成したコードの品質評価や、改善点の特定。
AIの出力を適切に評価・改善する能力は必須と言っても過言ではないでしょう。

AIを使ったおすすめのこと

とりあえずClaude Codeを使い始める

まずは小さなタスク

  • 既存コードのリファクタリング
  • テストコードの生成
  • ドキュメントの更新

徐々に複雑なタスク

  • 新機能の実装
  • パフォーマンス改善
  • アーキテクチャの見直し

ソフトスキルの強化

日常的にできること

  • コードレビューで建設的なフィードバックを心がける
  • 技術的な内容を非エンジニアに説明する機会を作る
  • チーム内の意見交換に積極的に参加する
  • メンタリングや後輩指導に取り組む

愛されるエンジニアになるために

これからのエンジニアには、AIとの協働能力と人間としての価値の両方が求められます。

ブリリアントシャーク型のエンジニアが持つ圧倒的な技術力は確かに魅力的かもしれません。
しかし、チームで成果を出し続けるためには、協調性とAI活用力を兼ね備えた「愛されるエンジニア」の方が価値が高くなるでしょう。

Claude Codeのようなツールを使いこなしながら、人間にしかできない価値を追求する。

バランス感覚に冴えたエンジニアが、これからの時代に必要となってくるのではないでしょうか。